ア行の用語
説明報告責任。情報開示責任。企業や公的機関およびそこに所属する個人が自らの行った行動に対して明確に説明する責任。もともとはアカウンティングとレスポンシビリティーの合成語で、会計主体(企業、公的機関)が利害関係者に対して負う責任のこと。
第3者的な権威(学界、調査・研究機関など)による実証データによって、その商品やサービスの効果や安全性を訴求し、社会的な信頼を獲得するマーケティング手法。健康や美容、食の安全など、消費者の生活に直結した商品やサービスに用いられる。
川喜田二郎東京工業大学名誉教授がネパール・ヒマラヤで行った民族地理学などの調査で実践した手法。その方法とは、「まず生活者としてその地域に生き、やり取り的観察をする」というもの。この手法をマーケティングに取り入れた調査方法もアクション・リサーチという。従来、マーケティング調査を行う側は第3者の立場でリサーチしていたが、アクション・リサーチの考え方では、リサーチャーが調査対象の中に積極的に入り込んでリサーチを行う。
新聞・放送などのマスメディアに対し「できるだけ多様な意見を採り上げ、開かれたものにすべき」という立場から生まれた考え方で、人々がマスメディアに参加し利用する権利をいう。1960年代にアメリカで提唱された。批判、抗議、意見広告、反論などのほか、紙面や番組・運営への参加も含む。情報公開に関連して、情報アクセス権という使い方をされる場合もある。
特定の利益や権利を獲得・維持・発展させるために企業や社会、政府などに働きかける団体。元来は寄附金や集票によって政治に圧力をかける団体を指すが、企業活動においては、消費者、株主、オピニオンリーダー、労働組合など、ステークホルダーと重複する部分もある。
本来は前貸し、前払いの意味。マスコミへの便宜のため、広報担当者が、あらかじめ公表日時を指定したうえで配付する発表用の資料のこと。
アドバタイジング(広告)とエディトリアル(編集)の合成語で、編集記事のような体裁の広告をいう。宣伝臭さをできるだけ抑えた情報発信が行え、通常のパブリシティーに比べて読者にストレートにメッセージが送れるという特色がある。記事体広告、ペイド・パブリシティーあるいは編集タイアップなどともいい、主に雑誌などで使われている。
擁護広告や主張広告とも訳す。通常の広告や意見広告、あるいは謝罪広告とは違って、企業が自己の立場の正当性を訴え、消費者の理解を求めるために打つ広告のこと。不祥事の発覚などで社会に印象付けられたイメージが企業側の真意と異なる場合に、消費者の信頼回復を目的に実施する。日本でもこの種の広告が増えつつある。
元来は精神分析を行う学者を指したが、現在では一般的に、証券業界において、産業や企業の経営動向、将来性についての調査を行う分析家を指す。投資家に情報を提供するセルサイド・アナリストと、資金を運用する側のバイサイド・アナリストがいる。
企業が株主・投資家を始めとしたステークホルダーに、1年間の事業活動を伝えるための重要なコミュニケーションツール。
欧米では、主要な株式市場に上場している企業は株主にアニュアル・レポートを配布することが義務付けられており、開示内容は市場ごとにルールが定められている。日本の場合は、海外に多くの株主がいる企業が自主的に作成しているケースが多いが、海外で資金調達をしている企業は、市場のルールに従って作成しなければならない。
かつてアニュアル・レポートは、決算データを中心とした定量的な内容が中心であったが、経営としての将来ビジョンやコミット課題の把握と、それへの対応方針などが、重要な要素となっている。
個人などのサイトに企業サイトとリンクを張り、訪問者がリンクを経由して商品やサービスを購入すると、サイトの管理者に報酬が支払われるプログラム。アソシエイトとも呼ぶ。
成果保証型広告と同じような仕組みだが、アフィリエイトの場合には、商品やサービスに関する情報を掲載するサイトが対象であり、そのサイトの信頼性が重要なファクターとなる。企業にとっては、潜在的に商品に関心を持つ層に効果的に到達でき、費用対効果の高いマーケティング・プログラムである。書籍などでは、書評サイトとオンライン書店間のリンクが大きな効果を生み出している。インターネットの普及による新しい商品購入プロセス “AISAS”(Attention=注意を引く、Interest=興味を持つ、Search=検索する、Action=購入する、Share=情報を共有する)を具現するものとして注目される。
週刊誌などを発行する雑誌社で使われている呼称で、取材記者が集めてきたデータやコメントをもとに完成原稿を書く人のこと。興味深い記事にするために文章力が問われる雑誌ならではの制度。
従業員満足。顧客が満足する製品やサービスを提供するためには、従業員がその企業に対して満足していることが大切であるという観点から論じられる。関連した言葉に顧客満足という意味のCS(Customer Satisfaction)がある。CSとは、製品やサービス、その他の企業活動についての顧客の満足度を調査・数値化し、自社のレベルを客観的に評価するもの。
約1世紀前にアメリカで台頭した、センセーショナルな内容のジャーナリズム。センセーショナルな記事を狙うあまり、信頼性に乏しい記事まで掲載する傾向が強い。イエロー・ジャーナリズムの共通点は、「アンチ・エスタブリッシュメント(反体制)」を掲げ、政府や大企業を攻撃し、一般大衆の支持を狙った点にある。新聞王ハーストやピューリッツアー賞で知られるピューリッツアーも、当時はイエロー・ジャーナリズムに傾倒していた。
工業上で利用可能なことを前提とした物品の形状、色彩、模様、あるいはその組み合わせを「意匠」というが、この意匠の保護および利用を図ることで意匠の創作を奨励し、産業の発達に寄与することを目的にした権利。意匠権は「意匠登録出願」による審査の決定後に発生する。権利の保護期間は15年で、期間の延長はできない。〈TM〉マークは、そのデザインが意匠権によって保護されていることを示す。
国際標準化機構(ISO)が定めた規格で、ISO9000シリーズが品質管理・品質保証の規格。ISO14000シリーズが環境管理マネジメントシステム、監査の規格で1996年秋に発行。ISO14000の発行により、国内企業のISOへの関心が製造業以外にも拡大。欧米市場ではISO認証の有無が、企業・製品・サービスの信用を得る条件の1つになっており、環境保全・国際化時代の中、日本でもその取得を目指す企業が増えている。
ISOが、2010年11月に発行する組織の社会的責任(SR)ガイダンス規格。①環境 ②人権と労働慣行 ③組織統治と公正な事業活動 ④消費者課題とコミュニティー参画/社会開発の4つの中核課題を設定、現在ガイドライン作りが進められている。CSRではなくSRとして対象を企業に限定せず、また、これまで日本企業にもなじみが深い9000シリーズ(品質管理)や14000シリーズ(環境管理)のように、第3者認証を与えるのではなく、ガイドラインとしてより多くの企業や政府・団体に活用してもらおうという点が特徴。
企業の内部関係者(経営者などの会社関係者や情報受領者)が未公開情報を利用して、不公正に行う証券取引。1980年代半ばにアメリカやわが国で不正取引が相次いだため、1989年よりわが国でも規制が強化されている。
社内コミュニケーションともいう。社内報、社員公聴会など、円滑なインターナル・コミュニケーションによって、「職場の連帯感と相互信頼」「社員への企業理念の浸透、共通認識と価値観の醸成」「社員の活性化」「新しい体質と文化の創造」「社員の声が経営トップに届くボトムアップ経営」などの成果が生まれる。
電子メール、電子ニュース、データベース、画像伝送、フリーソフトの送・受信などに利用されている地球規模のコンピューター通信網。全米科学財団が出資して構築されたNFSnet(アメリカの大学や、研究所を結ぶ学術研究用のコンピューターネットワーク)とそれに接続するネットワークのこと。企業・団体の広報メディアとして普及しており、資材の調達、入札やショッピング、株式の売買にも利用されている。自分のホームページを持つ個人も多く、動画や音声も取り込むことができる。これまで個人では困難だった不良品や医療ミスなどに対する告発も、マスメディアを通さないで直接不特定多数に訴えることが可能になった。
インターネット上で音声や動画などのマルチメディア情報を提供するサービス。ストリーミング技術(音声や動画などの大容量のデータをリアルタイムで再生する技術)の進歩により、コンサートやスポーツなどのライブ、企業のイベント、新聞社のニュースなどが放送されている。PRの観点からは、企業情報のリアルタイムでの伝達や、オンデマンド放送として、過去に作成されたデータを必要なときにブラウザーから取り出してもらうなどの活用方法がある。
大学在学中に企業で一定期間働く制度で、欧米では広く普及している。学生にとっては職業の適性を事前にチェックでき、大学は学生の就業経験を通じて企業の最新情報を入手できるため、学生、大学とも関心が高い。選択科目として取り入れている大学もある。
マス広告、PR、セールス・プロモーション、パッケージング、ダイレクト・マーケティングなど、企業が必要とするコミュニケーションをマーケティングとして統合的にとらえる考え方。米国ノースウェスタン大学ジャーナリズム学部のドン・E・シュルツらが提唱した。同大学では、広告学科をIMC学科と改称している。
特定の分野に詳しい専門家や評論家、インターネット上で強い影響力を持つ人物など、ステークホルダーの行動に大きな影響を与えることのできる人物を指す。この言葉が現在注目されているのは、既存のメディアに代わって、ブログやSNS、コミュニティー・サイトなどのCGMが消費者に大きな影響力を与えるようになり、ほかの消費者に対して影響力を持つような“カリスマ・ブロガー”などが登場してきたことが大きい。インフルエンサーを活用したマーケティング手法を「インフルエンサー・マーケティング」と呼び、「口コミによる、ファンがファンを呼ぶ仕組み」として注目されている。
投資家向け企業説明会。企業の活動状況や決算内容、将来の展望などの企業情報を積極的に投資家に説明し、株式の保持、購買を促すもの。情報開示責任(ディスクロージャー)の浸透とともに国内外でインフォメーション・ミーティングを開催する企業が増加している。
直訳すると、影響力を及ぼす第3者の意味。広報パーソンは、社内、社外の情報を客観的視点で扱う姿勢が求められていることから、「常にインフルエンシャル・サードパーティーの視点を持つ必要がある」といわれる。
アナリスト、機関投資家、株主などへの情報開示の一環として、自主的に経営方針、営業戦略、財務状況、業界情報などの経営情報を定期的に紹介する情報発信ツール。事実関係(ファクト)を客観的に説明することからファクトブックとも呼ばれる。
株主・投資家を対象とした自発的なコミュニケーション活動。通常IRと略される。全米IR協会(NIRI)は、IRを「企業と金融界およびその他の顧客層との間で最も効果的な双方向コミュニケーションが行われるように、ファイナンス、コミュニケーション、マーケティングおよび証券法のコンプライアンスを統合した戦略的経営責任。最終的には、企業の有価証券の公正な評価の達成に寄与する」(2003年)と定義している。
IRは、個人株主が急増した1950~60年代の米国で、企業の財務内容をわかりやすく伝えるために、アニュアル・レポートを発行するようになったのが始まりといわれている。その後、70年にはNIRIが設立され、企業のIR活動が本格化した。80年代に入ると空前のM&Aブームが起こり、IRは企業防衛の手段としてクローズアップされるようになった。
日本では、海外での資金調達が活発化した60~70年代にその概念が導入され、英文アニュアル・レポートを発行する企業が現れた。東京市場の国際化と外国人投資家の参入により、英語によるディスクロージャーが先行する形でIRが定着し、80年代後半からはIR部署を設置する企業が増加。93年には日本IR協議会(JIRA)が設立されている。
今日、株式の持ち合い解消に伴う個人投資家や外国人投資家の急増、企業の不祥事による企業情報開示要求の高まり、外国人投資家の議決権行使、TOBによる企業買収の本格化などにより、IRの重要性は飛躍的に高まっている。
「次世代のWeb」の姿を総称してWeb2.0と呼ぶ。特定の技術やソフトを指すのではなく、新しい技術やサービスを組み合わせてWeb上で展開している質的な変化を、ソフトウエアのバージョンアップになぞらえて「2.0」と表現している。「1.0」との最も大きな違いは、利用者が積極的に参加できる仕組みの中で、膨大な参加者の集合知が形成されるところにある。例えば、ブログの普及、Webの双方向化(ホームページからWebサービスへの進化)、SNS、ウィキペディア(参加型の百科事典)などの動きがあげられる。
㈱ビデオ・リサーチが行っている調査。新聞、雑誌、ラジオ、テレビおよび交通機関との接触状況、各種商品の所有・使用状況、生活意識などについての調査が行われている。
日本ABC協会が、新聞、雑誌の発行部数を第3者の立場で公査・認証した部数。
環境省が2008年4月に創設した、企業の環境保全への取り組みを認定する制度。企業が環境大臣に対して、京都議定書の達成に向けた地球温暖化対策など、自社の環境保全に関する取り組みを約束し、環境省は、約束を行った企業を「エコ・ファースト企業」として認定、エコ・ファースト・マークの使用を許可する。認定の基準は、環境負荷低減目標が業界のトップにあること。約束された取り組みの進捗状況を環境省に報告する義務がある。約束が遵守されない場合には認定が取り消される。認定企業は、2010年9月現在で34社。
地球環境に配慮した企業活動を行う企業の株式を組み入れた投資信託。環境問題に関心の高い投資家をターゲットに欧米で開発されたが、地球環境に配慮した企業活動を行う企業の業績が企業業績の平均値を大きく上回るにおよんで広く投資家の関心を集めている。日本でも1999年夏以降設定が相次いでいる。
省エネタイプのグリーン家電を購入すると、さまざまな商品やサービスと交換できるエコポイントがもらえる制度。地球温暖化への対応を図ると同時に、購入を促すことで経済活性化および地上デジタル対応テレビの普及を図るという“一石三鳥”を目指して、2009年5月よりスタートした。グリーン家電とは、統一省エネラベル4☆相当以上のエアコン、冷蔵庫、地上デジタル放送対応テレビを指す。
現在のお金では表すことが困難な人の善意や触れ合いなどの物事に価値を与え、クローズド・コミュニティー内で流通を可能にする“擬似通貨”。近所の人への簡単なお手伝いなどの「してほしいこと」と「できること」をマッチングさせ、提供者がエコマネーを受け取る仕組み。発行主体はNPOが中心。北海道栗山町で2000年に発行以来、多くのコミュニティーでエコマネーが誕生している。
CSR(Corporate Social Responsibility)の考え方をさらに進め、国や団体など、あらゆる組織に対象を広めた理念。ヨーロッパを中心に広まっているStakeholder Relationsの理念と呼応するもので、より幅広い組織・団体が、ステークホルダーに対して社会的な責任を果たしていこうとする考え方である。2010年11月に発行される、組織の社会的責任に対する国際規格「ISO 26000」も、SRの理念に基づいている。
社会的責任投資。環境保全や人権問題などに高い倫理観を持つ企業に選別投資すること。
アメリカでは、運用総額はすでに2兆ドルを突破している。日本では2000年に初のSRIファンドが設定され、SRIファンド専業の投信会社も発足している。
検索エンジンの最適化。インターネット上で、どこにどんな情報が収められているかを検索するのがYAHOO!やGoogleなどの検索エンジンである。この検索エンジンのプログラムを解析し、インターネット上の自分の情報を検索しやすいよう、キーワードを織り込んでホームページを設計するのがSEOである。ネットを活用したマーケティングでは活発に利用されている。
ソーシャル・ネットワーキング・サイトの頭文字をとって、SNS。参加者がお互いに知人・友人を紹介し合い、新たなネットワークを広げることができるコミュニティー型のサイトである。参加者の紹介がないと参加できない仕組みのものと、誰でも自由に参加できるものがある。
ネットワークに参加すると、自己紹介フォーマットを公開する機能や新しくできた友人を登録するアドレス帳機能、新しい友人を紹介する機能、友人間だけでメッセージ交換できる機能などが提供される。
多くのSNSは参加料無料で、サイト内のバナー広告や商品紹介機能などによって収益を得ている。
NGOとは民間開発協力団体のこと。もともと市民の海外協力団体として国連において指名された820余の国際民間団体を指していたが、近年軍縮や人権、開発、環境などのさまざまな分野で各国の民間団体が国連や政府などと協調して活動を展開するようになっている。日本では、1987年にNGO活動推進センターが設立され、2000年には政府や経済団体とNGOが協力して緊急人道支援を行うジャパン・プラットフォームが発足している。
NGOと環境・福祉・教育などの非営利活動を行う住民団体を合わせて非営利団体(NPO)と呼ぶ。1998年末には特定非営利活動促進法(NPO法)が発効し、2010年5月末現在、40,000以上のNPO法人が認証されている。
森林管理協議会。森林を適切に管理し、その森林から生産された木材を使って製品化し、消費者に届けるための制度作りを推進している。この制度を「森林認証」といい、環境保全の観点から適切で、なおかつ社会的・経済的に継続可能な森林作りを目指している。WWF(World Wide Fund=世界野生生物基金)は設立の一翼を担い、世界的にFSCの認証制度を推奨している。消費者は、FSCマークの入った製品の購買によって間接的に森林保全に関与することができる。近年、企業・団体発行の印刷物にも、FSCマークを目にすることが多くなっている。
製品やサービスの必要性や社会への貢献をPRすることで、自社製品やサービス、企業活動はもとより企業の存在自体に好感を持たせるためのPR、マーケティング手法。
よりよい社会を築くために責任を持った変革の主体となること。元来1980年代の世界女性会議の中で生まれた言葉で、『みんなが力を合わせて、文化的、政治的、経済的状況を変革していこう』という意思表示であった。それが、米国の企業経営の潮流を示す概念として語られるようになった。権限委譲によって潜在力を引き出し活用すること、ビジョンを共有化することで、学習する組織を実現しようというもの。
世論や社会的価値判断の形成に影響力を持つ人々(学者、文化人、評論家など)のこと。企業はこれらのオピニオンリーダーと常に良好な関係を保てるよう、懇談会への参加、シンポジウム、セミナーの開催、PR誌の制作などで協力を得るなどのコミュニケーション活動を行うことが重要である。
Off the Record(オフ・ザ・レコード)の略で、「記録しない」という意味。記者会見やインタビューの際に発表当事者が微妙な内情や背景を腹蔵なく打ち明けるが、紙面などには公表しないと約束すること。「オフレコ」と断って話した場合は、記者は道義的に公表しないことが原則だが、往々にしてこのオフレコ発言が公になり、思わぬ波紋を巻き起こすことがある。
企業の本社や工場、研究所などに、地域住民、一般消費者、マスコミや社外の人を招いて自社の活動内容を公開すること。PRの公開の原則に則した基本的な活動の1つ。
大気中に存在し、地表から放出される赤外線を吸収して地表を暖める働きを持つ気体の総称。1998年に制定された『地球温暖化対策の推進に関する法律』の中で、二酸化炭素、メタン、一酸化二窒素、代替フロンなど6種類が温室効果ガスとして定められた。20世紀以後、温室効果ガスは急増しており、地球温暖化による生態系への影響や気候変動は人類の将来を脅かす大問題となっている。1988年には、世界気象機関(WMO)と国連環境計画(UNEP)によって、IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change=気候変動に関する政府間パネル)が設立され、人為起源による気候変動やその影響、適応および緩和方策に関して、科学的、技術的、経済学的見地から包括的な評価を行っている。
国や自治体の行政に対する国民の苦情を受け付け、中立的な立場で問題の解明と是正処置を講じ、その解決を図る専門委員制度。オンブズマンとは、「護民官」を意味するスウェーデン語で、北欧をはじめ世界各国で導入されている。日本では1990年に川崎市が初めて行政全般を対象にした市民オンブズマン制度を設置。
インターネット上で、利用者同士が自由に意見交換や、情報共有ができる仕組み。最近、企業がネットをコミュニケーションやマーケティングの手段として活用するために、設置するケースが増えている。そこではユーザー同士が企業のブランドや製品、経営情報など、企業活動にかかわるさまざまな情報について意見を交換している。企業にとってはユーザーから情報を集める有効な手段となるうえ、企業イメージの向上やアクセスの増加にもつながっている。
カ行の用語
発生した二酸化炭素の量を、植林、森林保護、クリーンエネルギー使用などの方法で吸収・相殺し、排出量を実質ゼロに近づけようという取り組み。人間の生活や経済活動からは、地球が相殺しきれない量の二酸化炭素が排出されている。これを、できるだけ削減する努力をしたうえで、やむを得ず排出される量を算出し、植林や森林保護、クリーンエネルギー事業などによって、相当量の二酸化炭素(カーボンオキサイド)を相殺(オフセット)する。
企業情報を冊子や自社のサイト上にまとめたもの。自社の紹介、商品の販売促進、人材募集などを目的に制作され、顧客や取引先などの幅広い層に対して、トップのメッセージや企業理念、事業内容や歴史などを紹介して理解促進を図り、良好な企業イメージの形成を目指す。会社案内でもターゲットを学生に絞り、社員の活躍している様子や福利厚生などにウエートを置いた冊子は、別に「入社案内」と呼んでいる。
アメリカで1980年代から普及し始めた企業年金制度。税制上の優遇措置を定めた法律の条項から名付けられた。
①従業員が毎月負担する掛け金が所得控除の対象となる
②企業側は従業員の負担額と同額までを負担することで優遇税制が受けられる
③従業員が自分で運用方法を選択することができる
④転職しても転職先に全額を移動できる
などのメリットがある。わが国でも、従来の確定給付型年金の積立不足が企業業績を圧迫していることから、これにならった確定拠出年金法(日本版401K)が2001年に施行されている。
顧客PRのことで、企業が消費者や株主、金融機関、関連会社、販売店などに対して自社製品やサービス、その他の企業活動を、PR誌や工場見学などを通じて広報することをいう。
2009年1月より実施された株券のペーパーレス化。わが国の上場会社すべての株式等に係る株券を廃止し、株券の存在を前提として行われてきた株主権の管理を、証券会社などの金融機関に開設された口座において電子的に行うもの。株主・発行会社・証券会社の3者ともに大幅な手続きの軽減と紛失や盗難などのリスクの排除が可能となった。
企業の利益が株主・投資家から得た資本コストを上回ることによって得られる付加価値。コーポレート・ガバナンスの視点から、株主価値の向上が企業の命題とされ、株主価値を指標化したEVAやMVAなどの増加を経営目標に掲げる企業が増加している。
税引利益を株主資本で割って算出する経営指標。企業活動の成果、株主資本に帰属する利益がどの程度あったか、株主資本運用の効率性を示すもので、株主の立場から見た収益力の指標である。
株主が取締役などを相手に、会社に対する損害賠償を請求する訴訟。1993年の商法改正以来、一般株主が訴訟を起こしやすくなり、株主代表訴訟は増加傾向にある(コーポレート・ガバナンス参照)。
日本市場で独自の進化を続けた技術やサービスが、グローバルスタンダードから逸脱してしまうこと。ガラパゴス諸島における生物の独自の進化に見立ててこう呼ばれるようになった。日本市場のニーズが他国に比べて高度であることを背景に、日本で独自の進化を遂げている間に、各国で要求度の低い仕様が一般化し、気がついたときには、日本はグローバルスタンダードから大きく取り残されてしまう。また、国際規格は英語での使用を前提とするため、言葉の壁や文化の壁も日本発の技術やサービスを世界標準化する障害となっている。よく例示されるのはPCや携帯電話など。
環境保全に対する活動を数値化し、その費用対効果を明確にする手法。これまで漠然としていた環境活動の評価を経済価値に置き換えることで環境管理の状況が明確になり、企業経営における環境対策を事業の一環として積極的に位置付けることが可能になる。欧米企業が先行していたが日本企業でも導入する企業が増えている。
国際標準化機構(ISO)が「製品の環境側面」について策定した広告表現や製品表示に関する国際ルール。1999年にISO14021として制定。環境ラベルの使用法や広告表現について詳細に規定したもの。審査や認証を伴わない“自己申告”ルールだが、その規定が広く公表されており、虚偽の表現はNGOなどの批判にさらされるため、これまでの広告規制に比べて強い規制力を持つ。
社員1人ひとりが共有する価値観、行動規範から醸成された、その企業ならではの独自性(文化)のこと。従来の「社風」、「企業風土」を包括する概念でもある。広報マンにとっては、自社の企業文化、企業の文化活動、企業の文化戦略との区別を明解にしておくことも大切である。
トップ人事や合併、新規事業、新製品開発など、企業活動に動きがあった場合に、記者クラブに申し入れて行う。記者クラブへの申し入れは、原則として幹事会社を通して行う。
各省庁、都道府県庁、市役所、警察署、団体などの記者室に置かれた取材のための機関であり、企業にとっても、記者との重要な接点となっている。もともとは、「各公共機関に配属された有志が集まって親睦、社交を目的とするものであり、取材上の問題に関与しないものとする」とされている(日本新聞協会方針)。しかし、次第に取材機構として制度化してきた。情報を提供する側にとっては、1カ所で同時発表できるメリットもある。
企業のトップと複数の記者が、特定のテーマや情報に限定せず、自由に意見交換する場。年1回開催から10回開催と、企業によってさまざまなケースがある。
広義の意味では記者会見や記者発表と同じだが、通常は媒体を絞って行う個別発表を指す。例えば一般紙があまり追わない中堅企業やベンチャー企業などが、記事を掲載してくれそうな産業経済紙や業界紙などに向けて行ったり、ニュース素材が特殊で扱う媒体が限られているような場合などに用いられる。
新製品の発売時などに、それをニュースとして取り上げてもらうため報道機関に発表すること。一度に多くのマスコミに情報伝達ができるので、効率的かつ有効なパブリシティーとなっている。記者発表には、「レク(レクチャー)付き」と呼ばれている共同発表と、発表用資料を記者クラブなどの報道機関に配付または送付する資料配付の2つの方法があるが、その選択はニュース素材の内容とニュースの社会性などによって決定される。
ニュースリリースなどを作成する際の文書構成の方法。通常、手紙などでは「謹啓」「拝啓」などの頭語に続けて、時候のあいさつの前文があり、その後、本文(本題)に入るのが一般的である。逆三角形法によるニュースリリースは最初に主文を書き、その内容についての詳細は後半にまとめ、記者がニュースリリースの内容を瞬時かつ確実に把握できるようにする。
主に新聞社で使われている用語。デスクが本社で取材を指揮するのに対して、記者クラブや取材現場などの出先で取材記者を指揮し、適切な判断を下すベテラン記者をいう。
地球温暖化問題への取り組みとして1994年に発効した気候変動枠組み条約に基づき、1997年に京都で開催されたCOP3(第3回締約国会議)において、二酸化炭素をはじめ6種類の温室効果ガスの削減案が採択された。これを京都議定書といい、2008年から2012年までの間に先進締約国全体で1990年比5%以上の削減を法的拘束力を持つ形で義務付けている。日本は1998年に議定書に署名し、1990年比6%の削減義務を負うことになった。
消費者が訪問販売などの特殊な取引によって購入契約を結んだ場合、定められた期間内に限り、書面により通知することによって、一方的かつ無条件に契約解除ができるとした制度。ただし、クーリングオフができるのは、営業所や店舗以外の場所で申し込みや契約をした場合が原則。
高級紙。ヨーロッパではザ・タイムズ(英)、ル・モンド(仏)などが代表例といわれている。タブロイド版などの大衆紙がスキャンダルやゴシップ記事を主観的に取り上げるのに対して、高級紙ではセンセーショナリズムを排し、客観的な論評を行う。
不測の事態を未然に防止するための、そして、万一不測の事態が発生した場合にその影響やダメージを最小限に止めるための『情報開示』を基本とした、ステークホルダーへの迅速かつ適切なコミュニケーション活動。2000年に立て続けに起こった企業の不祥事とその対応のまずさがクローズアップされたことから、クライシス・コミュニケーションの重要性がクローズアップされる結果となった。
Crowd(群集)とSourcing(業務委託)を組み合わせた造語で、アウトソーシングの一形態。これまでのアウトソーシングは、特定の業者や個人に、専門性の高い業務を発注することが主流であったが、インターネットの普及によって、不特定多数にさまざまな分野の業務を委託することが可能となった。
集団訴訟。商品やサービスによって多数の人が被害を受けた場合、同じ立場にある不特定多数の中の一人もしくは数人が、全員を代表して訴訟を起こし、判決を同種の被害者全員に適用させるための訴訟。アメリカで制度化されて効果をあげているとされ、日本でもその導入が論議を呼んでいる。
草の根、一般大衆の意味。アメリカ型民主主義では、ボトム・アップによって世論が形成され、その世論を政治家が議員立法へと活かしていく。こうしたプロセスを「グラス・ルーツ民主主義」と呼び、コンシューマリズムや環境保護運動もこのプロセスをたどってきている。こうした運動は、企業を巻き込み、対応を迫られる重大な経営問題へと発展。1960年~70年代のアメリカにおける企業のPR政策は、こうした一般大衆の行動様式を、収集・分析して経営方針に反映させるPA(パブリック・アフェアーズ参照)へと重点を移してきた。
新聞や雑誌などに掲載された記事をチェックし、内容や必要に応じて切り抜いてストックすることをクリッピングといい、PRの業務のうち、メディア・リレーションズのベーシックな業務の1つ。特にパブリシティーが記事として取り上げられたか、あるいは不祥事の発生によってネガティブな記事がどのような論調で、どれぐらい大きく取り上げられたかなど、関係者には大きな関心事である。PRの効果測定は、一般的に記事の露出量や論調をもとに算出するため、クリッピングはそのベースとして欠かすことができない作業である。
環境に優しい商品を購入する消費者を意味する「グリーン・コンシューマー」から派生した言葉で、政府や企業に対して環境保護に配慮した活動や情報提供を求める運動。リサイクル運動とも関連して、近年、世界的な消費者意識の大きな流れの1つとなっている。
元来は所有権や事実を主張する人の意味で、裁判における原告を指す。現在では、企業に対して執拗な抗議をしたり、あらを探しては利益の供与を要求したりする“常習性の苦情屋”をいう。正当な抗議であるかどうかの判断が困難な場合も多く、加えてインターネットという企業告発に格好のメディアの発達により、クレームに対する企業の対応は従来にも増して困難かつ重要になっている。
金融収縮。金融システムが信用不安によって極端な逼迫状態となり、貸付や預金が正常に行われなくなること。貸し渋りが発生し、企業の資金調達が困難になる。これが経済活動の停滞を生み、さらに信用不安が高まるという悪循環に陥りやすい。
株主への貢献度を重視した新しい経営指標。具体的には、投下資本利益率が資本コストを上回ったときに生み出される企業価値のことで、プラスなら株主の期待以上の利益を上げたことになる。アメリカで開発され、欧米有力企業が導入、経営改革と株価の上昇に成功している。日本でもEVAの増加を経営目標とし、報酬制度と結び付ける企業が増加しつつある。同様の概念を率で表したのが日本で開発されたCCR(キャッシュフロー資本コストレシオ)。
過大な景品の提供によって、不当に購買心や射幸心をあおる行為を禁じた独禁法の補完法。違法行為に対しては公正取引委員会が排除命令を出せる。1996年4月には、従来の景品規制の一般ルールとその運用基準が改正され、景品の上限が廃止、または緩和された。
新聞や雑誌などの刊行物は、影響力を推し量る尺度として発行部数を重要視している。報道内容の影響力が高いメディアは、同時に広告媒体としても大きな影響力を持つ。このため、主要な新聞・雑誌は、日本ABC協会という中立機関が公査・公表している発行部数を採用しているが、一部の雑誌では、自己申告による発行部数を用いている。これを公称部数と呼ぶが、実態とかけ離れた自己申告が多く、公称部数の信ぴょう性は高いものではなかった。これを是正する動きとして、流通段階で部数を把握し、それを公称部数として採用する方法が採用され始めている。
広報の重要な機能の1つ。公衆の声を聞き、経営に反映させる世論の収集活動(社外情報のインプット)とともに、社内の情報収集、蓄積(社内情報のインプット)も行う。
新聞各社の過度なニュース競争を避けるため、一定の時間が過ぎたら新しいニュースを記事にしないように定めた日本新聞協会の協定。大きな事件や事故などが発生した場合でも、また社会的に影響を与えるようなスクープがあった場合でも、タイムリミットを過ぎてからのニュースはその日の朝刊や夕刊には載せられない。
コーズ・リレーテッド・マーケティングとも呼ばれる。企業が商品やサービスを消費者に提供する際に、社会貢献に結び付くような仕掛けを取り入れるマーケティング手法。Causeとは社会的な大義のこと。企業は、この手法を用いることで、ブランドイメージや企業評価の向上を図ることができる。米国では大手企業が積極的に採用しており、例えば、1台あたり10ドルが世界エイズ・結核・マラリア基金に寄付される「赤いiPod nano」や、デルタ航空、キャンベルスープなどが参画する、乳がん撲滅のための「ピンクリボン活動」などがあげられる。日本においては、1960年にスタートした「ベルマーク運動」がその先駆けといえよう。
企業イメージ統合戦略。総合的なコミュニケーション手法を用いて、公衆や社会に自社の経営理念や企業活動を伝え、理解され、信頼される企業としてのよりよいイメージを育てるための活動。CIの導入により、「自社に対する公衆、社会の認識向上」「他社との差別化」「社員の共通した価値観の醸成」などが促進できる。
企業統治の意味。「企業は誰のものなのか」「企業の実際の支配者は誰か」を論じるときに使われる言葉。一般的に、日本企業は金融機関や法人などの会社同士が互いに株を持ち合う傾向が強い。アメリカでは一般株主、機関投資家の権限強化が進んでいるのに対して、法人間の株持ち合い傾向が強い日本では、一般投資家、機関投資家の存在感が低下し、実質的な企業の支配者は、株主から経営者へと移ってきた。これが企業経営の緊張感の低下や産業の国際競争力の低下とともに、反社会的な行動が生まれる一因ともいわれる。日本では1993年に施行された改正商法によってコーポレート・ガバナンスへの関心が高まった。改正商法では、株主代表訴訟の手数料が一律に引き下げられ、また帳簿閲覧権を持つ株主の要件も緩和されたため、株主が経営責任を問いやすくなった。こうしたことから、国内企業も株主を重視した経営へとシフトする傾向にある。
コーポレート・コミュニケーション(CC)という言葉が使われるようになったのは、米国の経済誌「FORTUNE」が1972年に「コーポレート・コミュニケーションズセミナー」を開催してからだといわれている。このCCの考え方が米国企業を中心に取り入れられ、組織の名称にも使われるようになるのは1980年代に入ってからで、特に1987年のブラックマンデーを境に企業コミュニケーションのあり方も環境の変化に対応する必要性に迫られ、一般的になった。このCCを学問的に研究する学者も増え、米国ノースウェスタン大学のクラーク・ケイウッド教授は、CCの役割や意義を「IMC(Integrated Marketing Commu-nication」(統合的マーケティング・コミュニケーション)であると提唱している。これは複雑化した現代企業の組織では、コミュニケーターはPRエキスパートとしての機能を持つだけではなく、マーケティングやコミュニケーション、そしてマネジメントなどの広範囲のスキルが要求され、それをCCとしてとらえていこうとする考え方だ。日本の企業でCCの概念を取り入れるようになるのは1980年代の後半に入ってからで、大手流通業を中心にCCの組織を設けるところが登場し、最近では多くの企業で組織の名称として使われるようになっている。
よき市民としての企業という意味。1969年にIBMが宣言してから、先進諸国の企業でも一般化した考え方。
企業価値を高める原動力として、人、モノ、金、情報に続く第5の経営資源として注目されている。コーポレート・ブランドの概念はアメリカ・カリフォルニア大学名誉教授のデヴィッド・A・アーカーによって提唱されたもので、人々がその企業に抱くイメージを決定付ける無形の個性であり、他社と差別化するための存在感や信頼感を与えるとされる。一橋大学の伊藤邦雄教授は、ブランド価値の向上は、株主や顧客、従業員などのステークホルダーの利益を拡大するものとして、コーポレート・ブランドの経営モデルを提唱している。
企業が、外部環境の変化から生まれる問題に対応し、企業広告やイベントへの協賛、メセナなど、社会に向けて積極的にその理念や行動を示すこと。
ステークホルダーから見た企業の評判。コーポレート・レピュテーションの形成には、マスメディア、一般生活者、株主・投資家、従業員、取引先、NPO/NGO、学生など、非常に広範囲のステークホルダーが関係し、しかもこれまでになく企業経営に対して大きな影響力を持つようになってきた。これは、①企業の相次ぐ不祥事によって、コーポレート・ガバナンスやコンプライアンスに関心が高まってきたこと、②CSRが企業存続の鍵を握るようになってきたこと、③企業を見るマスメディアの目が厳しくなってきたこと、④ITの発達により、瞬時に不特定多数による情報の受発信が可能になったこと、などによる。
企業は、多様化・複雑化するコミュニケーション環境に対応し、好評判獲得のための戦略的な取り組みを求められている。
国ごとに異なる会計基準を国際的に統一し、国際間比較を容易にしようという目的で国際会計基準審議会によって設定されたグローバル・スタンダード。2005年よりEU域内市場で統一基準として採用された。日本でも2009年から「選択適用」が認められ、早ければ2015年に義務化という方向性も打ち出されている。
記者発表が予定されている内容について、取材・報道を禁じた記者クラブ内の紳士協定。企業などのニュース提供者が、記者クラブの幹事社に記者発表を事前連絡すると、記者クラブ内の掲示板に日時・内容などが書かれる。その時点で協定が発効することからこう呼ばれる。
誤字・脱字を含め、事実とは異なる内容が報道されてしまうこと。企業側に何ら非がなくても、マスコミは社会的な影響力が大きく、いったん間違って報道された内容を否定することは容易ではない。重大な誤りに対しては毅然とした態度で臨み、速やかに「訂正」や「お詫び」などの掲載を報道機関に促すべきである。
地域社会PR。企業拠点の近隣にある村、市、町、区などの住民、公的機関に対して、企業と住民、公的機関との相互理解や関係改善のために行うPR活動。
消費者主義、消費者運動。消費者や市民生活の立場を考慮に入れ、それを最優先させる考え方、またはその運動そのものを指す。
1960年代半ば、消費者の権利を守る活動が盛りあがるにつれて、使われるようになった。アメリカのラルフ・ネーダーが中心となった消費者運動が有名。日本でも1970年代に入ってから、消費者の意識の高揚に伴い活発な消費者運動が起こり、現在に至っている。
不測事象対応計画。企業が策定すべき長期経営計画の一部であり、有効なリスク・マネジメントの方策。今日のように環境変化の激しい時代では、長期計画は策定された後も常に柔軟な見直しを必要とする。コンティンジェンシー・プランでは、あらかじめ発生確率が低い事象に対しても複数の代替計画を準備し、不測事象発生の都度、迅速に対応できるようにしておく。
優れた業績をあげることのできる従業員が、安定した成果を実現するために発揮している思考や能力、行動の特性。仕事が多様化し、より高い専門性が必要とされる中で、コンピテンシーを人事評価制度に取り入れ、能力開発や職種の適性の判断材料とする考え方が広がりつつある。
法令遵守と訳される。法律を守ることのみと解釈されがちだが、企業市民として企業倫理をきちんと守り、ステークホルダーと良好な関係を築くための基本的な考え方のことである。不祥事の多発によって、企業のコンプライアンスに対するステークホルダーの意識はこれまでにない高まりを見せており、違法行為はいうに及ばず、ステークホルダーの不利益となる行為=合法であっても反社会的とみなされる行為は、企業の評判に悪影響を与え、企業価値の下落に直結するようになった。
コンプライアンスの要点は、企業活動を監視するルールの制定と、それを企業の内外からチェックするシステムの確立である。透明性を担保し、企業情報をステークホルダーに誠実に伝えるための取り組みが重要な鍵を握ることになる。
サ行の用語
企業の持続的発展の可能性。企業が持続的に発展するために、企業としての明確なビジョンのもと、社会・環境・経済の3つの側面に配慮し、ステークホルダーの支持を得ようという考え方。欧米ではまず、社会的責任投資(SRI)の基準として「持続的発展の可能性」が重視され、企業価値向上のための取り組みとして定着しつつある。日本でも、日本版401Kの導入や欧米の年金基金への組み入れをにらみ、まずIRの一環として注目を集めるようになった。こうした取り組みを伝えるツールとして、サステナビリティー・レポートを発行する企業も増えつつある。
商品化や広告販促使用など著作物の二次使用権に対する許諾のこと。著作権を保有するライセンサーから使用許諾を受けた側をライセンシーと呼ぶが、さらにそこから許諾される権利をサブライセンスという。また被許諾者はサブライセンシーと呼ばれる。
製品が、原材料からさまざまな工程を経て消費者の手に渡るまでのすべての工程をサプライ・チェーンと呼び、この効率を高めるための計画・管理をサプライ・チェーン・マネジメントという。これまで、経営効率を高めるための情報共有化や物流システムの構築などが主眼となっていたが、ナイキのベトナムにおける不法就労問題や食品の産地偽装問題など、チェーン内での不祥事が明るみに出るにおよび、CSRの観点から、環境や人権、品質と安全、地域貢献などのファクターを組み込んだサプライ・チェーンを再構築する企業が増加している。このような変化の要因として、チェーンのグローバル化やそれに伴うグローバル規制強化、消費者の意識の高まりなどがあげられる。
企業・組織が社会的責任を果たしていることをステークホルダーに伝えるために、全世界で通用するガイドライン立案を使命とするNGO。アムステルダムに本部を置き、UNEP(国連環境計画)の公認協力機関である。GRIは2000年6月に最初のガイドラインを発行。社会全体の急速な変化に対応するため、2002年8月には第2版を、2006年10月には第3版(G3)を発行している。このガイドラインは、英語、日本語をはじめ世界14ヵ国語に訳され、インターネット上で公開されている。GRIは同様の活動をする世界中のさまざまな団体や組織と連携しており、日本においては、NPO法人「サステナビリティ日本フォーラム」(2007年8月、GRI日本フォーラムより改名)が緊密に連携している。
個々の顧客の嗜好や性癖を把握し、対応を徹底する経営手法。これまで町の商店がお得意さまに提供してきたようなきめの細かいサービスをITの力を借りて組織的に実現する。インターネットの普及に伴い、CRMは大企業から中小企業へ、クローズドからオープンへと発展しつつある。
ある期間中に放送したテレビCMの各回世帯視聴率の合計。「延べ視聴率」ともいう。主としてCMが必要量に達しているかを判断する目安として用いられる。
企業の最高経営責任者であるCEOの資質を、企業の資産、経営資源としてとらえるという考え方。その優劣が企業の業績や将来性を大きく左右することになる。CEOの資質として、ますます重要性を増しているのが、従業員や顧客、株主・投資家などのステークホルダーとのコミュニケーション能力である。ステークホルダーとの信頼関係なくして企業は存続できない。そして、信頼関係の構築に最も重要な役割を果たすのが、スポークスパーソンとしてのCEOである。
企業が果たすべき社会的責任。企業が自らの社会的責任を明確に定義し、それを社会に向けて発信し、実践することによって、競争力を高め、持続的な発展につなげていくのがCSRの基本的な考え方である。
CSRは、サステナビリティーや広い意味でのコーポレート・ガバナンスと同義であり、より長期的な視点に立った企業とステークホルダーの間の信頼関係作りである。これはコーポレート・ブランドの発想とも軌を一にするものである。
企業におけるコミュニケーションの統括責任者。コミュニケーションが経営戦略においてますます重要度を増す中で、欧米ではCCOを任命する企業が増加している。CIO(Chief Information Officer)と呼ぶ場合もある。
消費者による消費者のためのメディア。インターネットの発達によって登場したブログやSNS、「YouTube」などの新たなコンテンツの総称。消費者個人の自由な意見や情報がインターネットを介して共有され、それが消費者の考え方や購買行動などに大きな影響力を持つようになってきた。
“声のシェア”とは、競合企業や競合製品・サービス間における広告出稿量やメディア露出量のことを指す。もともと広告の世界で用いられてきた言葉で、製品・サービスのシェアは、広告の絶対量ではなく、同じカテゴリーにおける競合製品やサービスの広告出稿量との比較で決まるという考え方に基づいている。
最近では、IMCの考え方に基づき、広告出稿量だけでなく、パブリシティーによるメディア露出を含めてSOVを算出するのが主流となっている。
株価に発行済株式数をかけた金額。企業価値を評価する際の指標であり、その企業の規模や資金調達能力を推し量ることができる。また、M&Aの際には、買収総額の目安ともなる。適正株価を維持することでM&Aのリスクを軽減できるため、時価総額の向上は企業経営上の大きな課題である。低迷する昨今の経済情勢においては、上場基準に抵触しかねないほどに株価が下がっている企業も見受けられる。
自社株買い。自社の発行した株式を購入し、株式を消却したり、ストック・オプション用に保有したりすること。資本効率の向上や、株式の需給関係に好影響を与えることが期待できる。わが国でも2001年の商法改正によって自社株を市場から買い戻し、長期間保有する(金庫株)ことが可能となったため自社株買いが増加している。
自然環境やエネルギー、社会福祉、世界平和など、社会的な問題をテーマに取り上げて展開する企業広告のこと。
誤報を「訂正」や「お詫び」の形で修正するのではなく、誤報後の関連記事やニュースの中で、過去の報道を修正する手法。
マスコミに働きかけ、特定のテーマで取材してもらうこと。例えば新聞や雑誌などに連載されている企業紹介、人物クローズアップ、開発ドラマなどのコラムに、自社の商品や技術、あるいは経営トップや開発担当者などを取り上げてもらいたいときに行う。また、記者発表しても扱ってくれそうもないニュース素材を特定の媒体だけに流し、一社独占であるとして記事の掲載を促すような場合などに行われる。
自身の肖像に関する独占的な使用権のこと。他人の肖像を使用する場合、本人、または、その肖像権代理人に許可を受けなければならない。また、企業内施設で一般顧客の肖像が写った写真を、広報資料として配布する場合にも注意が必要とされている。
市場経済においては消費者の需要が生産のあり方を決めるという考え方。最近では、「消費者の4つの権利」とともに消費者運動のスローガンとして用いられることが多い。
1962年にアメリカのケネディ大統領が消費者保護特別教書でうたった、「安全な権利」「知る権利」「選ぶ権利」「意見を聞いてもらえる権利」の4つをいう。商品を選ぶ権利は消費者にあり、それが産業のさまざまな活動を促進するという考え方に基づいた消費者の基本的権利のこと。国際消費者機構(IOCU)では、救済の権利、消費者教育の権利、健全な環境の権利を合わせて7つの権利を主張している。
1968年に制定された「消費者保護基本法」を、2004年に一部改正したもの。消費者の問題に関して国、自治体に消費者保護の責務があることや、事業者の責務や消費者の役割を明らかにしている。
主として消費者と企業との間に立って橋渡しをする企業内の消費者生活相談担当者をいうが、行政や消費者団体でも活躍している。経済産業大臣が認定する公的資格で、日本産業協会が毎年試験を行っている。公的資格ではないが、同様なものとして日本消費者協会の養成講座の修了者に与えられる「消費生活コンサルタント」がある。
文字・図形・記号など、自社商品の目印として使用するマークあるいはデザインを保護する権利。「商標登録出願」による審査の決定後に発生する。権利の保護期間は10年で、規定の手続きを行えば期間を延長することができる。Rマークは指定商品あるいは指定役務が商標権で保護されていることを示す。
著作権などの知的財産権を有するものを商品に使用して複製する場合の権利。通常はライセンサーまたはエージェントと商品化を希望するライセンシーの間で商品化(ライセンス)契約を結ぶ。ちなみに企業のイメージアップやイベントなどで使用する場合はプロモーション契約あるいは販売契約と呼ぶ。
日本新聞協会が1958年に制定した新聞広告掲載に関する倫理基準を定めたもの。新聞広告の及ぼす社会的影響を考え、不当な広告を排除し、読者の利益を守り、新聞広告の信用を維持、高揚するための基本的原則として、「真実を伝える」「紙面の品位を損なわない」「関係諸法規に違反しない」の3つがある。
日本新聞協会がその指導精神として1946年に制定(1955年補正)した倫理基準。記者および新聞社の使命、また、その行動を律する基準として、「新聞の自由」「報道・評論の限界」「評論の態度」「公正」「寛容」「指導・責任・誇り」「品格」の7項目をうたっている。
本来は「シャベルで掘り出す」という意味。新聞・テレビ・雑誌などの報道機関が、ライバル社を出し抜いて独占的に重大ニュースを掲載・放送すること。またはその記事をいう。
利害関係者の意。もともと掛け金を守る第3者という意味だったが、実際には従業員や株主、地域社会、消費者、取引業者、さらには行政など、企業経営上重要な影響力を持つ第3者、という意味で使われる。企業活動を行ううえで、これらステークホルダーとのコンセンサスを得ることは今後ますます重要で、広報活動の大きなテーマの1つである。
自社株購入権。企業の役職員が、一定期間後にあらかじめ決められた価格(低価格)で、自社株を購入できる権利のこと。自社の業績が向上すれば株価も上昇し、ストック・オプションによって入手した株は含み益が大きくなるため、役職者は業績向上に一層励むことになる。アメリカでは、役職員に対する報奨制度の1つとして広く採用されているが、日本では1995年の法改正で、ベンチャー支援の目玉として一部の認定企業にだけ認められるようになった。1997年の新たな改正で、自社株譲渡の対象が役員にも広げられた。
アナリストの中でも投資環境を分析し、資産配分などの戦略情報を投資家に提供する者をいう。
報道機関に対して、掌握している情報を適宜発表する広報責任者のことで、緊急事態の発生時などに用いられ、一般には広報部長や広報担当役員が選任される。
「消費者が製品の欠陥により被害(生命、身体、財産への損害)を被った場合、消費者の故意、過失の有無を問わず、製造者が損害賠償の責任を負う」とする考え方を示した法律で、1995年7月に施行された。自社製品の欠陥によって、その責任を追及されるため、こうした問題に直面しないよう適切な製品開発・使用マニュアル作成・販売を行うとともに、アクシデントに遭遇した場合の危機管理システムの構築も求められる。今後の事故例やそれに対する判例が、多大な関心を集めるものと考えられる。
地球上に多様な生物が複雑な生態系を形成していること。生物多様性は、およそ40億年におよぶ地球の歴史の結果であるが、現在地球上では、多くの生物の絶滅が危惧される状況にある。生態系に含まれる種の絶滅は生態系の安定度を損ない、地球生態系は“緩慢な自殺”を続けている。絶滅の多くは、人間の活動、とりわけ生息地の環境破壊によるものである。人類存続の基盤ともいうべき生物多様性を将来において確保するために、わが国でも2008年5月に「生物多様性基本法案」が成立、総合的かつ計画的な環境保全策を打ち出している。
インターネット上の仮想世界(メタバース)の代表格。サンフランシスコのリンデンラボ社が、2003年に立ち上げて以来、急速にカウント数を増やした。ネット上のバーチャルな世界だが、実際の世界とほぼ同じ仕組みで作られている。仮想通貨や所有権、制作物の著作権まで認められており、仮想通貨を現実の通貨に換金することもできる。SL内では、企業がユーザーに対して広告や物販、マーケティングなどを自由に働きかけることができるため、企業が数多く参入している。トヨタや日産は、SL向けの特別仕様車を発売、デルコンピュータはSL内でプレスリリースを発表した。企業コミュニケーションの新たなメディアとして大きな可能性を秘めている。
米国SECが定める企業の将来予想公表に関するルール。米国では、株価が大幅に下落した場合、ディスクロージャーに不備があると集団訴訟を起こされるケースが相次ぎ、企業は将来予想の開示に消極的になりがちであった。セーフハーバー・ルールは1995年に改訂され、将来の業績予想が、諸環境の変動によって当初の見込みと大幅に異なる場合があり得るとの説明を付加するなどの要件を満たせば、法的な責任を問われなくなっている。
社会的課題の解決を事業とするビジネス。2008年4月に経済産業省が取りまとめた「ソーシャルビジネス研究会報告書」では、社会性、事業性、革新性をその要件としている。事業性のないボランティア活動や既存の法律等で活動内容が規定された福祉、医療、教育などの事業は該当しない。地域の社会的課題を解決しようとする「コミュニティビジネス」と重なるが、「ソーシャルビジネス」には地域的な限定がなく、より広範な社会的課題の解決と、より高い事業性、革新性が求められる。
不特定多数のユーザーが情報の発信者・受信者となって参加し、ユーザー同士のつながりが形成されていくプラットフォーム型のメディア。CGM(コンシューマー・ジェネレーテッド・メディア)とほぼ同義で、ブログやSNS、ソーシャルブックマーク、ソーシャルニュースサイト、オンライン百科事典、クチコミサイト、FAQサイト、動画投稿共有サイト、掲示板などがある。企業がお金を払って広告等を掲載するマスメディアなどを「ペイドメディア」、自社サイトなど企業が自分で持っているメディアを「オウンドメディア」、そして一般のお客様が発信するソーシャルメディアを「アーンド(earned評判を得る)メディア」と呼び、合わせてトリプルメディアということもある。
タ行の用語
スポンサー名を伏せたまま、消費者の興味を引くキャンペーンを展開し、最終的にスポンサーが明らかになったところで、スポンサーとそのブランドに対する強いロイヤルティーを醸成しようというマーケティング手法。マクドナルドが北京オリンピックの開催に合わせて実施した「ロストリング」というキャンペーンが話題となった。ターゲットは10代~30代の消費者で、インターネットのソーシャルメディアに強い関心を持っている層。最も広告効果が期待できない層をいかに取り込むかという新たなチャレンジでもある。
デジタル放送をコピーする際の取り決めの統一呼称。わが国におけるデジタル放送の著作権保護のために2008年7月から開始された。デジタル放送では、画質や音質の劣化がないため、コピーを繰り返されると映画などのDVD販売にも影響が起きる。このため、コピー9回+ムーブ1回=計10回を上限にダビングを認めようというもの。
多様性。元来は生物学用語で、異なる種がさまざまな形で共存すること。転じて、外見や内面の違いにかかわりなく、すべての人々が持てる力を発揮し、組織に貢献できるような環境を作ることを意味するようになった。人間には、人種、性別、年齢、身体障害の有無などの外観、価値観や宗教、ライフスタイル、性格などの内面というように、多くの違いがある。これを画一的な型にはめるのではなく、各自の個性として、それを活かして能力を発揮できる環境を作ることで、個人にも組織にも互いにプラスにすることがダイバーシティーの考え方である。
従来のアナログ放送に代わる、高画質、高音質、多機能の放送。放送をデジタル化することで、電波(周波数)の有効利用が可能となることから、世界中で整備が進められている。地デジ化により空いた周波数帯域は、携帯電話サービスの充実や、災害時の活用などにあてることが想定されている。地デジは2003年12月からスタートしており、現在、2011年7月24日のアナログ停波に向けて、テレビ各局や家電メーカーなどによる普及活動が続けられている。
地デジを視聴するためには、対応テレビや専用チューナーの購入が必要なほか、アンテナの交換が求められる場合もある。そのため、世帯普及率100%の実現が難しいとの見方も出始めている。それとともに、周知不足、送受信機器不足などを原因とした、地デジが見られない「地デジ難民」への対策など、課題も多い。
知的所有権、無体財産権と同義。人間の精神的な創作や産業活動上の識別標識など、知的作業が生み出した無形財産に関する権利。特許、実用新案、意匠、商標、著作権など幅広い権利を包括する。
文学、学芸、美術、写真、音楽などの著作物に対して、著作者がその著作物を独占的に利用できる権利。複製権、上演権、放送権、翻訳権などの財産権と、公表権、氏名表示権などの著作者人格権がある。原則として著作者の死後50年間権利が存続する。また、実演家、レコード製作者、放送事業者には、著作物を伝達する媒体として創造的な活動を行っているとして、著作権に隣接する権利(著作隣接権=録音権・録画権など)が認められている。
株式の公開買付。企業買収を図る際に、株式を不特定多数の株主から公募で買い付けること。証券取引法にのっとり、買取の期間や買取株数、価格を公表しなければならない。上場企業や、一定の条件を満たす企業の株を5%以上買う場合、原則としてTOBで買い付けなければならない。
TOBは1990年以降の法改正や株式の持ち合い解消とともに活発化しており、2004年には国内で52件、金額にして1兆円以上、ともに過去最高を記録した。
TOBが注目を集めているのは、企業の同意を得ない敵対的TOBが増加していることによる。ライブドアによるニッポン放送買収や楽天によるTBS買収は大きく報道され、国民的な関心事となった。スティール・パートナーズによるブルドッグソースTOBのケースでは、敵対的買収がわが国の投資家になじまないことを露呈したといえよう。
企業・組織が、ステークホルダーに対して、経営活動や財務内容についての情報を開示すること。情報開示。一般的には、証券取引法に基づいて、投資家の保護を目的とした開示制度を指す。投資家は自己責任原則において有価証券投資を行っており、投資判断に必要な十分な情報が必要不可欠である。近年日本のディスクロージャー制度は、会計基準の世界標準化の流れを受けて、連結決算開示、四半期開示、キャッシュフロー計算書の開示、時価評価開示などが義務付けられている。
広く内部告発の意。社内で計画あるいは遂行された事柄が、社会や顧客にとって不利益となる場合、その情報をマスコミに対して提供する行為をいう。昨今の多くの企業不祥事は内部告発によって発覚しており、企業側にコンプライアンスやガバナンスに対する認識が求められている。アメリカでは告発者に対する身分の保護がシステムとして成立しており、問題を未然に予防しやすい企業組織であるといえよう。日本では「公益通報者保護法」が2006年4月に施行されている。
膨大なデータの中から、ビジネスに役立つ価値あるデータや情報だけを掘り出す(マイニング)こと。コンピューターやIT技術が発達した現在、インターネットやPOSがもたらすデータはまさに宝の山であり、属性情報やトラッキングデータなどはCRMに積極的に活用されている。
雑誌社などで使われている呼称で、もっぱら取材や資料集めに専任し、データ原稿を作成する記者をいう。最終原稿を書くアンカーマンと区別して用いられている。
コンピューターなどのデジタル機器を使いこなせるかどうかで地位や待遇に大きな差が付くという風潮を指す。コンピューター・ネットワーク社会の急速な進展とともに、コンピューターから取り残された世代には深刻な問題となりつつある。
新聞や雑誌で取材・編集の指揮、入稿責任を持つ者。通常は各部の副部長・次長クラスが担当する。現場の記者に指令を出し、集まった複数のニュースを記事として作成したり、企画や編集を行ったりする。
パソコン、ワープロ、スキャナー、プリンター、コピーなどの機器を活用し、原稿作成から編集、印刷までを一貫して行うシステム。同システムを導入することで、従来、印刷会社や編集プロダクションへ発注していた広報用印刷物を社内で制作できるようになる。
PCを用いたプレゼンテーション手法。操作性、情報量、視認性に優れ、インターネット・ホームページなどのデジタルメディアとのデータ・情報の共有、追加・改訂のたやすさなどからプレゼンテーション手法として普及しつつある。
新聞の締め切り時間のこと。もともとは囚人がそれを越えると銃殺される境界線のことをいった。無制限の報道合戦を防ぐため、原則として朝刊では午前1時35分、夕刊では午後1時20分を締め切り時間として決めている。
TVを媒体として、取り上げてほしい事柄をニュースやトピックスとしてオンエアするパブリシティー。番組の一部として放送されるため、CFでは伝わりにくい客観性を担保できることや、映像で訴求できるために視聴者にわかりやすいこと、ストーリー性を持たせることができるため、より強い説得力を持つなどのメリットがある。取り上げてもらえるかどうかは番組側に決定権があるため、話題性、社会性、意外性などのニュースバリューをパブリシティー素材に盛り込むことが必要である。
企業の情報開示には法定開示と任意開示がある。このうち、金融庁への法定情報開示書類の提出・縦覧を電子化するシステムがEDINETである。インターネットで情報を容易に得られるようになることから、投資家の利便性の確保や企業の負担の軽減、市場の効率化がなされた。2004年6月からは電子情報開示が原則となった。東京・大阪証券取引所および日本証券業協会では、それぞれTD-net、ED-NET、JDSと呼ぶ同様のシステムを稼働させており、上場/店頭公開企業に開示を義務付けている。米国では1996年から同様のEDGARというシステムが本格稼働しており、カナダやドイツ、イギリス、韓国などでも実施されている。任意開示については、すでに多くの企業がインターネットにIRサイトを設けるなどの形で個別に情報発信をしている。一部の企業では、ストリーミングやウェブ・コンファレンス、コンファレンス・コールなどの形で、リアルタイムの情報発信に取り組み始めている。
近年、欧米を中心に電子書籍市場が急拡大し、電子出版物への関心が世界的に高まっている。すでに耳に馴染んだものでいえば、電子辞書や携帯コミック、携帯小説なども電子出版だが、ソニーのReaderやアマゾンのKindle、バーンズ&ノーブルのnookなど、電子書籍専用端末の発売が相継ぎ、2010年4月にアップルからiPadが市場投入されるにおよんで、わが国でも本格的な電子書籍の普及が始まったと見られている。印刷と複雑な流通経路がカットされて、一般ユーザーの元にコンテンツが直接届けられることになるので、広報・PRの世界でも活用法が注目されている。
テレビやコンピューターの端末を使って、電送手段により家庭に直接新聞を届けるもの。マルチメディア社会の新聞形態として、アメリカではすでに文字・音声・動画を取り込んだ電子新聞の開発が進められている。日本でも、通信衛星やパソコン通信、インターネットを使った実用化が始まっている。
1998年12月に施行。以前はNPOの法人格取得にはさまざまな制約があったが、営利を目的とせず、不特定多数の利益の増進に寄与することを目的とする団体は容易に法人格を取得することができるようになった。
透明性。企業はその活動内容を、株主・投資家、従業員、顧客などのステークホルダーに、事実を隠ぺいしたり歪曲したりすることなく、きちんと公平に、わかりやすく伝える義務を持つ。
追跡可能性。Trace(追跡)とAbility(可能性)を合わせた造語。製品の流通経路を、生産段階から、例えば食品であれば最終消費段階、家電品であれば廃棄段階に至るまで、追跡が可能な状態。とりわけ、消費者にとって、BSE問題や偽装表示、食品アレルギーなど、食の安全にかかわるトレーサビリティーは生活に直結する重大事である。
ナ行の用語
アメリカ証券業協会(NASD)が管理運営する店頭銘柄気配自動通報システム。このシステムによって取引されるアメリカの株式店頭市場そのものもNASDAQと呼ばれる。インテル、マイクロソフトをはじめとする情報通信関連の超一流企業が名を連ねている。ITバブルの崩壊によって、株価指数の下落、新規上場企業の減少などの問題を抱えている。
組織の目的・目標を達成するために、価値創造に結び付く知識を発見し、理解し、共有し、活用する体系的なアプローチ。適切な時期に適切な人が、知識をスムーズに移転し、活用できるようにする効果的な仕組みを構築し、運営すること。
部門横断的な諸問題の解決、過去の業務実施方法に固執する現場の意識変革、他社の成功事例を自社の社風に合致した形で導入する前提となるフレームワークの提供などに効力を発揮する経営変革手法で、米国において導入が進んでいる。
企業活動で発生するニュース素材を報道機関に知らせるために、その内容を簡潔にまとめた通信文書のこと。パブリシティー活動の最も代表的な手法となっている。
マスコミなどのステークホルダーと良好・健全なコミュニケーションを図るために、経営戦略、営業活動、財務状況、技術開発情報などを定期的に紹介する新聞形式の情報発信ツール。ニュースリリースが企業情報の発表資料であり、またPR誌が企業の文化や社会性などにウエートを置いたツールであるのに対して、ニュースレターはあくまでも企業活動の情報開示を目的としている。
施設命名権のこと。競技場やホール、公園、美術館など公共的集客施設に企業名や商品ブランド名などの名称を付けることができる権利で、主にアメリカで発達してきた。企業側は企業/ブランド名を訴求する効果を期してこの権利を購入する。国や地方自治体の財政状態が厳しくなるにつれて、施設の所有機関がこの権利を企業などに販売し、運営資金などに充当するケースが増えている。「味の素スタジアム」(旧・東京スタジアム)、「福岡 Yahoo! JAPAN ドーム」(旧・福岡ドーム)などの例がある。
インターネット上で消費者の権利や主張を展開する新しい消費者運動の形態を表す新しい造語。インターネットというメディアの特性によって、個人からマスへの直接の情報発信が可能になったこと、特定の問題が短期間に加速度的に広がることがこの形態を可能にした。従来マスメディアが果たしていた情報発信の役割をコンピューター・ネットワークが果たすことになったわけで、マスメディアも情報源として注目し、問題がさらに広がるという図式が成立する。
情報の発信者の匿名性や真偽の検証が困難であることなどの問題点も指摘されている。
ハ行の用語
認識のずれ。外交上では互いの国に対する認識の違いを指すが、PR/IRにおいては、企業とステークホルダーの間で“自分の考える自分”と“他人の考える自分”の認識の差を指す。このギャップは企業にとって潜在的なリスクであり、ギャップ解消のためのコミュニケーション活動は非常に重要なPRの役割である。
マスコミュニケーションに対比される概念で、電話や私信、会話など個人間のコミュニケーションのこと。広報的には、コーポレート・コミュニケーションを個人(社員)レベルで実践する企業コミュニケーションの1つとする場合が多い(コーポレート・コミュニケーション、インターナル・コミュニケーション参照)。
仮想企業体。外部資源を活用し、社内だけではできない事業を展開する企業を指す。アウトソーシングやファブレス(製造部門を持たない開発メーカー)をさらに発展させた企業コンセプトで、外部の経営資源を徹底的に活用することによって変化の激しいマーケットに適合した商品の開発・供給を実現する。今後はインターネットの活用によってVC化が加速すると見られる。バーチャル・カンパニーは、コンピューター・ネットワーク上の仮想会社のこと。
『口コミ』を活用したマーケティング手法。バズとは、もともと、ハチなどがブンブンいう羽音のこと。それから転じて、ワイワイガヤガヤとしたうわさや世間話を指すようになった。インターネット上では、ブログやSNSを介して、企業やその製品・サービスなどの情報が、企業の知らないところで飛び交っている。こうした“バズ”のメカニズムを分析し、情報をコントロールすることによってマーケティングに役立てようというものである。バイラル・マーケティング(Viral Marketing)も同義。バイラルとはウイルスのことで、ウイルスが伝染していくように情報が拡散していく様を表している。
インターネットのホームページ上の広告スペース。バナーとは元来は新聞の見出しのことで、横長のスペースに広告を掲載することからこう呼ばれる。広告スペースをクリックすると、広告主のサイトにジャンプする。
企業や団体が、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなど各種の媒体(客観的な報道機関)に対して、その意図している方針、商品の特質などの情報を自主的に提供することにより、対象媒体の積極的な関心と理解のもとに、広く一般に報道してもらう方法、およびその技術。
企業と社会との緊張関係を処理し、緩和しようとする活動。具体的には、社会を構成する各種環境主体(消費者、地域社会、行政、報道機関など)との積極的コミュニケーション手段をいう。PAの基本的ステージとしては、①社会の動向を分析し、企業の意志決定に反映させる。②企業の状況、意志決定、意見などを社会に積極的に知らせていく。③社会に貢献する活動を計画し実践する、の3つの段階がある。1970年代以降に顕在化した、企業と消費者の緊張関係を背景に、パブリックリレーションズに代わる概念としてアメリカで使われるようになった。
元来、アメリカの都市再開発においての住民参加システムを指す。行政側が計画に関する議論のたたき台をキックオフレポートとして準備し、それに対する住民の意見をボイスレポートとしてまとめ、双方を踏まえた有識者などの意見をもとに新しい計画を立案、公表する。日本では、1998年の建設白書に初めて盛り込まれ、街作りの意思決定に市民が参加する仕組みができた。この動きは2002年の都市計画法改正などに見る住民参加の動きにつながっている。地方自治と広報の役割を考えるうえでも重要な仕組みである。
企業活動を、財務、顧客、業務プロセス、従業員の学習成果などの多面的な視点からとらえるマネジメント手法。これまでの業績評価に加えて、数値化が遅れていた顧客満足度などの項目も数値目標化して管理・評価を行う。このためには企業のビジョンや戦略を明確化し、その実現に必要な現場レベルでの行動プログラムや指標を客観的にスコアカード化せねばならない。財務と非財務、短期と長期などのバランスを取りながらマネジメントを行うためこの名がある。
ハンディキャップを持つ人や、高齢者のスムーズな社会活動を妨げるモノやコトを取り除くこと。企業広報においても、重要なPRのテーマとなってきている。
顧客の消費価値、従業員の労働価値、企業の存在価値という3つの価値要素を創造していくことがマーケティングの基本であるという理念。従業員の労働価値を強調していることがこれまでのマーケティング理論との大きな違い。サービスを提供する従業員の知識や能力、モチベーションがサービスのクオリティーに大きな影響を与えることから、従業員満足を重視するマーケティング理論として注目されている。
違法コピーから使用料を徴収するために出版団体などが主張している権利。レコードの製作者や放送事業者に認められている著作隣接権に対して、著作物を制作する出版社(者)にも法的保護を認めようというもの。しかし、現行法ではまだ認められていない。
主に企業のイメージアップを図ることを目的に開催するもので、文化・スポーツ催事、発表会、展覧会、講演会などを総称していう。マスコミによって報道されることで、さらに効果が高まる。
企業や行政機関、各種団体などが、その理念や企業活動を地域住民や社会に広く伝えるために発行している媒体。最近では一方的に企業情報を発信するだけでなく、社会的、文化的に価値あるテーマにシリーズでじっくりと取り組み、一般書籍化する傾向もある。
BOPとは「Base of the Pyramid」の略。主として途上国の低所得階層(年収3,000ドル以下、世界の人口の7割、40億人)を対象としたビジネス。現地のさまざまな社会的課題(水、生活必需品・サービスの提供、貧困など)を解決する持続可能な開発や、大きな市場創造につながると期待されている。一方、適切な配慮を欠いた場合、グローバル企業による新たな搾取や貧困ビジネスにつながるとの批判もある。
カスタマー・リレーションズの一環として行う工場見学をさらに発展させた、顧客PRの新たな手法。一般的な工場見学は、団体、個人からの見学申し込みを受け、生産ラインの一部を係員が案内するというものである。ファクトリー・パークとは、工場敷地の限定された部分を公園や広場として広く市民に開放するとともに、その敷地・施設内に自社や製品に関する資(史)料館、博物館、ホール、飲食スペースなどの文化施設やアミューズメント的施設が設けられ、そこを訪れた人々は特別な手続きなしにひとときを過ごせる機能を持つ工場をいう。
投資信託の対象銘柄選定や売買タイミングの決定を行う運用担当者。顧客から集めた巨額の資金を運用する責任者として高い専門性が求められ、優れた運用実績を発揮するファンド・マネージャーはスタープレイヤーとして厚遇されている。
慈善活動の意味。メセナを含め、営利を目的にしない企業の社会貢献(奉仕活動や寄付金拠出など)を指す。ギリシャ語のフィランソロフィア(人間愛)に根ざしており、博愛や慈善より広い意味で使われる。一般には社会問題の解決や生活向上のための公益活動をいう。企業の社会的責任や社会的役割という面からも関心が高まっている(メセナ参照)。
中南米やアフリカ、アジアなどの途上国の農村地域や都市部のスラムに暮らす貧しい人々に仕事の機会を提供し、その生産品を公正に取り引きすることで、弱者が自らの力で暮らしを向上させることを目的とした貿易のパートナーシップ。小規模農家や手工芸職人などに継続的な仕事をもたらし、農薬や化学肥料に頼らない農作物や、天然素材と伝統技術を活かした工芸品などの事業をよりよい労働環境で営むことをサポートする。1989年には大規模小売店を中心に「フェアトレード・ラベル」商品の取り扱いが始まり、徐々にだが、同商品の売り上げは増加しつつある。代表的な認証製品には、コーヒー、紅茶、バナナ、チョコレートなどがあげられる。オルタナティブ・トレード(Alternative Trade)ともいう。
人の弱みに付け込み、取材した情報を利用して利益を得ようとするジャーナリズム活動。
企業価値の中で、これまでバランスシート上に現れなかった無形資産の重要性が認識されてきた。ブランド価値は知的財産やノウハウと並ぶ非常に重要な無形資産であり、資産価値は非常に大きい。2002年に経済産業省のブランド価値評価研究会が日本企業のブランド価値を金額として算出、公表したことから注目を集めている。ブランド価値が会計学上の視点から金額で表示されることにより、投資家には有益な開示情報となるとともに、M&Aなどにも資産価値評価として活用できる。将来はバランスシートに計上することが検討されている。
ブランドに企業理念、哲学、ビジョンといった経営要素を持たせ、それを育成・確立していくことで主体性を持った市場戦略を展開する経営手法。企業活動のグローバル化に伴う競争の激化や企業のガバナビリティーがより重要視されてきたことなどが“強いブランド”の重要性を高めている。ブランドの価値を数値化するブランド・エクイティーの概念は、企業価値や株価に大きな影響力を持つ。
要領報告。企業などがマスコミに対して行う状況説明。レクチャーと同義語。
広告収入だけで制作され、無料で配布されている新聞。大手新聞社や地域に根ざした企業などが配布地域を限定し、地域の生活情報を提供する場合が多い。
緊急事態の発生時などに時々刻々と変化する報道内容をその都度モニターし、マスコミの論調を掌握すること。通常の報道記事分析と使い分けて用いられることが多い。
ニュースリリースをはじめ、関連する資料・写真などを添付したファイル、またはその資料一式。通常のパブリシティー活動ではあまり使わないが、新製品発表などの記者会見では記者の便宜を図るために用意する場合が多い。
企業活動に対する理解促進のために実施するメディアリレーションズの1つ。経営幹部がマスコミと懇親し、相互理解を深める目的で昼食などをともにすることをいう。
マスコミ・報道機関との関係を密接にし、相互理解を進め好意的な報道を期待する活動。日常からの人間関係、パブリシティー記者会見、懇談会、ニュースリリース、PR誌の配布、工場見学などいろいろな方法がある。
記者との懇談の場として、企業内に設けられた部屋。企業内に、記者が常駐する正式な記者クラブを持つところもあるが、プレス・ルームの場合は、正式な記者クラブとは違い、記者が自由に来てその企業の情報を取り出せるようになっている。
話題性のあるイベントや展示会の開催、公共施設や大型建造物の竣工、テーマパークやミュージアムのオープンなどに際して、一般公開や本格稼働に先駆けてマスコミに公開し、その事実を記事として報道してもらう手法。「記者向け内覧会」などとも呼ばれている。プレスプレビューはマスコミにとってもニュース性があり、入場者が限定されているため撮影や取材がしやすく、その場で代表者などの話を聞くことができるといったメリットがある。
日記スタイルの簡易型ホームページ。ウェブログともいう。社会的な出来事や興味を持っていること、自分の仕事にかかわることなどを、個人的な意見や批評として日記形式で時系列につづる。その多くは個人サイトで占められ、中には大きな影響力を持つ“著名サイト”も少なくない。
1999年にBloggerと呼ばれる、サイトの更新や管理を容易にし、サイト同士のリンクが極めて簡単に行える画期的なソフトが登場し、米国を中心に爆発的な広がりを見せた。現在では草の根レベルのジャーナリズム手段として、あるいは共通の価値観や意見を持つ人々のコミュニケーション手段として広がりを見せている。
日本の新聞は、幅広いニュースを扱う一般紙と、特定の業界やテーマを扱う専門紙(業界紙)に大別されるが、一般紙のうち、全国をカバーするものを全国紙、特定の地方をカバーするものを地方紙と呼ぶ。地方紙の中でも、北海道全域をカバーする北海道新聞や中部地方をカバーする中日新聞、九州をカバーする西日本新聞のように、より広い範囲をカバーする発行部数の多いものをブロック紙と呼んでいる。
弁護士や会社員などが職業で得た専門のノウハウやスキルを職務以外のボランティアで提供する活動。支援の対象は主にNPO法人や社会起業家。プロボノとはラテン語の「プロ・ボノ・パブリコ(Pro Bono Publico)」(公共善のために)が語源。米国の弁護士の間でスタートしたもの。日本でも社会貢献志向の若い世代に関心を呼び、参加者が急増している。広報・マーケティング・財務などの専門家が業務の手助けをするケースが多いという。企業でも、創造性を高める、発想の幅が広がるなどプロボノの効用を認め、プロボノを奨励する動きが出ている。
記事体広告ともいう。新聞や雑誌などの広告スペースを購入し、企業の文化性や社会性などをアピールする目的で記事風の広告を出稿すること。広告の一種だが、広報活動の一環としてとらえられている。
新聞の公共目的(編集方針を決定し、報道の真実を確保し、論評の公正を図り、適性に公表する)を達成するために必要な、一切の管理的機能をいう概念。1948年に日本新聞協会が発表した「新聞編集権の確保に関する声明」によると、「編集内容を理由として、印刷・配付を妨害する行為は、編集権の侵害である」としている。同様な主旨で、放送分野には「編成権」という言葉がある。
放送メディアのデジタル化の流れの中、CSデジタル放送(スカイパーフェクTV、ディレクTV)に続いてBSデジタル放送が2000年12月からスタートした。この特質は、高精細度画像と高音質、双方向サービス、有料放送の可能性など。また、ラジオ放送においてもBSデジタル放送が同時期にスタートした。
放送の健全な発達を目的に、1950年に施行された。放送の普及と放送の不偏不党、真実および自立の保障と表現の自由の確保など、放送番組や放送運営全般を規制している。1989年に通信衛星による放送の認可、1995年に放送によって傷つけられた視聴者の人権を保護する改正などが行われている。
持株会社。欧米では一般的な形。日本では戦後長らく独禁法で禁止されていたが、1997年の独禁法改正によって原則自由となった。利点としては、グループ全体の戦略立案の容易性や事業多角化のリスクを分散できること、合併と同じ効果をあげながら事業を再編できることなど。金融業界や流通業界では再編が加速しており、持株会社の形態をとるケースが増えている。
マ行の用語
担当記者などの報道機関に対して、企業イメージや広報活動に対する評価などを調査するもので、PR活動を実施するうえで1つの指針として役立てる。
登録商標。一般にマルアールと呼ばれ、登録された商標であることを表示している。関連した用語にサービス・マーク、cマークがある。サービス・マーク(Service Mark)とは、運輸・金融・飲食業など、いわゆる「サービス」を提供する会社が、自社の業務内容を他社と区別するためのマーク(標章)。これに対し商標は他社の「商品」と区別するためのマーク。1992年から商標と同じく商標法で保護されている。cマーク(Copyright)は版権登録、著作権所有の意味。一般にマルシーと呼ばれ、著作権を所有していることを意味している。
フランス語。直接の見返りを期待しない文化芸術支援活動をいう。メセナの語源は、文化の擁護に努めた古代ローマ帝国時代の大臣、イユス・キリニウス・マエケナス(メセナ)に由来する。フィランソロピーと同じ意味に使われる場合が多い(フィランソロピー参照)。
消費者運動や市民活動などの活動を記録したメディア(ビデオ、CD-ROMなど)を、一般市民やマスコミに積極的に公開しているグループのこと。活動への共感を得るための一環として行われている。
マスコミの状況を把握し、スムーズなインタビュー対応などを実現するために、経営陣や広報担当者に対して講習・訓練を行うこと。
道徳的危険。もともとは保険用語。企業が反社会的な行動をした際に、「経営倫理の欠如」として論じられるようになった。
ヤ行の用語
2005年に米国で設立されたユーチューブ社による動画共有サイト。 “Broadcast Yourself” のキャッチフレーズで、動画ファイルを無制限に、しかも無料でアップロードできるという仕組みが注目を集める。2007年6月には日本語版が登場し、2008年1月には一部携帯端末で視聴が可能になるなど、情報発信メディアとして身近になってきたことから、マスメディアや一部企業がビジネスに活用する方法を模索している。しかし、テレビ番組やプロモーションビデオの著作権問題など、解決すべき問題も多い。
言語や文化、性別年齢などの違いや能力の差、障害の有無などを問わず、誰もが容易に利用できる商品やサービス、機能、情報、設備をデザインすること。障害者を対象としたバリアフリーの概念を発展させたもので、「できるだけ多くの人々が利用可能なようにデザインすること」がその基本コンセプトである。ノースカロライナ州立大学で提唱されたユニバーサル・デザインの7原則とは、①誰でも公平に使えること、②使ううえで自由度が高いこと、③使い方が容易でわかりやすいこと、④必要な情報がすぐにわかること、⑤うっかりミスが危険につながらないこと、⑥身体への負担が少ないこと、⑦接近や利用のための十分なスペースを確保することである。
「ゆるい」マスコットキャラクターを指す造語。国や地方公共団体などの公的機関がイベントやまち興しなどで使用するマスコットキャラクターを指す。みうらじゅん氏の命名による。彦根市の「ひこにゃん」や奈良市の「せんとくん」などはその代表例。全国のゆるキャラを集めたイベントも開催され、2008年の流行語大賞にもノミネートされた。
ラ行の用語
製品の生産から廃棄まで、あるいは企業活動の影響がおよぶすべての範囲で、一貫して資源枯渇量、廃棄物の内容、環境への負荷などを定量的に調査、分析、評価すること。環境管理標準規格ISO14000シリーズの中核を成す規格(ISO 14040)。企業活動が環境に与える影響を把握し、最小限に食い止めることを直接の目的とする。
企業に利益をもたらすのは短期的なマーケットシェアではなく、顧客の継続的なロイヤルティーやシンパシーに基づいたライフタイムにおける長期的なシェアであるという考え方。新規顧客の獲得コストに比べて、既存顧客から追加受注を得るほうがはるかに低コストということもあり、CRMやワン・オン・ワン・マーケティングなどの形で具体化している。
「漏れる」(Leak)という意味からニュースとなるような情報を特定の報道機関に流すことをいう。社会的な反響を見るために意図的に情報が漏らされることもある。
危機管理。環境の変化、事故、災害などが発生した事態を想定し、それぞれの事態に対応した策を講じておくこと。不測事態の例としては、国際関係の変動、政治的変動、法的規制、経済的変動、社会的変動、業界変動、社内的変動、自然界の変動がある。広報においては日ごろから、可能性の高い緊急時を想定し、社内広報体制、確認事項と発表内容、報道関係者への施設提供、電話対応、緊急時の連絡リストなどをまとめた緊急広報マニュアルを作成しておくことが望ましい。関連した用語に以下のものがある。「コンティンジェンシー・プラン(Contingency Plan)」(不測の事態に対応するための事前計画)。「スタンバイ・コミュニケーション(Standby Communications)」(万一の際に備えて用意されたPRのためのプラン)。「ディザースター・コンティンメント・プラン(Disaster Containment Plan)」(災難抑制計画。不慮の出来事をカバーするための事前計画)。
緊急事態が発生した場合に、状況を速やかに掌握し、現場に適切な指示を与え、関係先に連絡するなど、実務面での対策責任者をいう。一般的に総務部長や総務担当役員などが選任されることが多い。
新規顧客獲得を主眼としたマーケティングに対して、特定の顧客との間で、より良好な関係を構築しようというマーケティング手法のこと。顧客の関心や興味の所在を把握し、それにマッチした商品やサービスを効果的に提供する。顧客との長期的な関係構築を目指すという意味で、ライフタイムシェアの発想と呼応するもの。
この手法を可能にしたのはインターネットをはじめとした通信技術の発達である。データベースによる顧客情報管理やEメールによるダイレクトコミュニケーションが、マスを対象にしながら、顧客別にきめ細かく対応することを可能にした。
2000年10月に発効したSECの選別的情報開示禁止規則。発行体企業は、株価に影響を与える可能性のある重要な情報を特定の株主や投資家のみに選別的に提供してはならない。アナリストやファンドマネージャーは当然この対象となる。選別的開示を防ぐ手だてとしては、①SECに臨時報告書を提出 ②プレスリリースを広範に配布 ③インターネットのコンファレンス・コールなどによって、一般大衆がアクセス可能な方法で情報を開示するなどがあげられる。
情報化、コンピューター化の推進によって、経営の効率化を実現すること。文書管理の改善、データベースの整備、通信ネットワークの整備などによって、情報の共有化、同時化、快適で機能的な就業環境を実現する。
企業の評判向上のための戦略的な取り組みのこと。評判とはステークホルダーが企業に対して抱く評価であり、ステークホルダーの間で共有され、広く社会に流通する。この意味で、好評判獲得とは、ブランドの確立と同義である。そして、コミュニケーションが果たす役割は非常に大きい。
日本では従来企業本体の単独決算を発表してきたが、経営の実態を知るためには子会社を含めた連結決算が望ましく、欧米では連結決算がスタンダードとなっている。資本市場のグローバル化、日本版ビッグバンの進展に伴い、日本でも1999年4月以降の決算期から国際会計基準に沿った連結決算による情報開示が義務付けられた。こうした動きを先取りして、企業の側でも、連結決算の発表を早めて単独と同時発表したり、部門別、地域別のセグメント情報を開示したりするなど、ディスクロージャーの透明性を高めつつある。
キャラクターや作品などの商品化権許諾契約の際に、ライセンサー(許諾者)とライセンシー(被許諾者)の間で決定される著作権や特許権の使用料。出版業界の印税と同様にロイヤルティー方式がとられ、商品価格に対し一定の率が設定される。支払方法はさまざまで、一括払いや売り上げ(収益)における一定割合の使用料(ランニング・ロイヤルティー)を定期的に支払う場合などがある。
欧米の金融主要都市で開催する投資家向け会社説明会。国内では単に「会社説明会」という。
健康と環境を重視した新しいライフスタイル。その顕著な特徴として、エコロジーや教育に関心が高く、自己啓発意欲や知的好奇心が旺盛、全地球的な発想から無理や無駄を省く、宗教や人種に左右されない商品を嗜好する、健康管理に気を遣う、企業の社会的責任を重んじる、などの傾向を持つ。その中核となる人々をカルチュラル・クリエイティブズ(生活創造者)と呼ぶ。
米国を中心に支持者が急増しており、全世界的な広がりを見せている。米国では人口の30%が、カルチュラル・クリエイティブズであるという説もある。CSRのサポーターとしても注目されている。LOHASに関連する市場も全米で3,000億ドルに達すると見られる。
企業や団体の意見や要望を、議会や政府の関係者に働きかけること。ガバメント・リレーションズにおいて重要な役割を果たす。こうした働きかけをする人をロビイストと呼ぶ。米国ではロビイストは登録制で、活動内容の報告義務を負っている。
Amazon.comをはじめとしたインターネット店舗では、商品をストックする必要がないため、人気商品の大量販売という従来の販売セオリーにとらわれることなく、ニッチ商品の多品種少量販売によって大きな売り上げと利益をあげることができるという理論。ロングテールの呼び名は、縦軸に販売数量、横軸に販売品目を、販売数量の多い順に並べたグラフの形状による。販売数量の少ない商品部分が、長いしっぽのように伸びる様を見立てたもの。もともとアメリカで提唱されたものだが、日本では、梅田望夫氏の『ウェブ進化論』で取り上げられたことによって、Web2.0ブームとともに大きくクローズアップされた。
ワ行の用語
仕事と私生活がバランスよく共存できるようにすること。1980年代米国の働く女性のための育児支援プログラム「ワーク・ファミリー・バランス」を発端とする。90年代に子供のいない女性や男性社員も対象として、従業員全体の私生活に配慮した制度やプログラムを充実させる取り組みへと広がった。当初は従業員の福利厚生的な取り組みと受け取られ、なかなか実効が上がらなかったが、90年代半ばに「どのように仕事のやり方を変えれば期待する効果が出せ、同時に私生活を充実させることができるか」を基本コンセプトとした見直しが行われ、企業にとっては生産性の向上、人材の確保、個人にとっては多様化するライフスタイルとの調和のための重要な取り組みとなっている。
市場のシェアを求めたマス・マーケティングに対して、特定の顧客との関係を重視し、より深い関係の構築を目指すマーケティング手法。背景には顧客のニーズの多様化やパソコン・ネットワークの進歩によって顧客と双方向でのコンタクト、継続的な関係作りが可能となったことがあげられる。







